韓国の山へ
韓国の山岳雑誌「MOUNTAIN」と「サランガサン(人と山)」
韓国発の2つのトピックスが「山と溪谷」2008年2月号に掲載されています。
1つめは「アジア版『ピオレドール』授賞式が韓国ソウル市で開催された」という巻頭25ページの記事。
ちなみに元々の「ピオレドール(黄金のピッケル)」はフランスの山岳雑誌が制定した、その年の最も優れたアルパインクライミングに与えられる賞。そのアジア版です。
2つめは「韓国の山岳月刊誌『MOUNTAIN』が韓国の優秀誌に選ばれた」というヤマケイジャーナル・トピックス欄の記事(190ページ)です。こちらはキルチャビによる投稿です。
韓国政府文化観光部(省)は毎年優秀雑誌を選定しており、今年で第16回になる。
優秀誌として「MOUNTAIN」も選ばれ、11月1日「雑誌の日」の記念式典で表彰された。
雑誌のそれぞれの分野における専門性、継続性、公共性などにおいて、予備審査、最終審査をへて10誌が優秀誌に選ばれるものである。
発行人の南善祐(ナム・ソヌ)氏は「読者と筆者の愛情と努力に感謝する。期待に背かないよう山岳雑誌の役割を果たしていきたい」と話した。
同誌は月刊「山」「サランガサン(人と山)」に次いで、2001年10月に発刊された。
「高い山」よりも文化、生命、歴史、人など「深き山」を目指している。
山と山好きな人の活き活きとした現場を扱い差別化を図ってきた。
実際に人にスポットを当てた記事に何ページも割かれ、毎月何人もの人が紹介されている。
オールカラーで360ページほどのきれいでちょっとおしゃれな感じの雑誌である。
(「MOUNTAIN」2007年12月号記事を参考にした)
(投稿の原稿より)
「ピオレドール」アジア版の開催者は韓国の山岳雑誌「サランガサン(人と山)」ですので、「山と溪谷」の同じ号に韓国の2つの雑誌が載ったことになります。
おまけにもう1つ、韓国にかかわるトピックスがありました。
「いつまで続く?中高年者の遭難」の記事の中のひとつの事例。
「韓国人ツアー客が落石事故費用未払いのまま帰国」
7月の落石事故の際の救助の費用約40万円を支払わないまま帰国してしまったとのこと。今後支払われる見通しという但し書きが付いていますが、その後どうなったでしょうか。
韓国では遭難救助にかかる費用は、遭難者の負担にならないこと。そのため、山岳保険がないこと、といった課題が浮き彫りになってきます。
(内野慎一 2015年8月24日改訂)
山岳人 田辺治さん 韓国誌によるインタビュー mountain誌2010年6月号
韓国「MOUNTAIN」誌 2008年の連載「上高地通信」
韓国「MOUNTAIN」誌で日本の山を特集
名著「氷壁」韓国語訳 あるクライマーのオモニの祈り